ED治療の選択肢
EDの治療には、さまざまな方法があります。大切なのは、治療法について正しく知り、ご自身に合った選択肢を見つけることです。
EDについて理解を深めることで、再びパートナーとの親密な時間を取り戻し、より豊かで満足のいく性生活を送ることができるでしょう。

ED治療の選択肢
EDについて相談すると、医師は利用可能な治療法をわかりやすく説明し、あなたの体の状態やライフスタイルに合わせて、最適な選択肢を一緒に考えてくれるでしょう。
治療法には以下のようなものがあります¹:
- 生活習慣の改善(禁煙、減量、健康的な食事など)
- 経口薬(PDE5阻害薬)
- 海綿体注射(薬事未承認)
- 陰圧式勃起補助具(バキュームデバイス)
ただし、一部の方にとっては、これらの治療法が医学的な理由で適応とならない場合や、十分な効果が得られなかったり、副作用によって継続が難しいこともあります。
そのような場合には、陰茎プロステーシス(ペニスインプラント)という外科的治療が、適切な選択肢となる可能性があります。
生活習慣の改善
一般的に推奨される健康的な生活習慣は、EDの改善にも役立つ場合があります。
- 禁煙
- アルコールの摂取を控える
- 減量
- 日常的な運動
- ストレスを減らす
これらの取り組みは、すぐに効果が現れるわけではありませんが、血流や神経機能の改善につながる可能性があります。継続することで、EDの予防や改善に役立つ土台を作ることができます。
もし一人で続けることに不安がある場合は、パートナーと一緒に取り組んでみるのもおすすめです。ふたりで健康的な生活を目指し、新しい習慣に挑戦することは、関係を深める良いきっかけにもなります。
薬物療法
生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合、次の選択肢として薬物療法が検討されます。
多くのED治療薬は、陰茎の筋肉をリラックスさせる体内の自然な化学物質(主に一酸化窒素)の働きを助けることで、血流を増加させ、勃起を促す仕組みになっています。その結果、性的刺激に対する反応を高め、勃起をサポートすることが期待されます²。
経口薬(PDE5阻害薬)
経口薬によるED治療を検討する際には、副作用のリスクについても理解しておくことが大切です。代表的な副作用には、頭痛、顔のほてり、胸やけ、腰痛などが報告されています。
また、糖尿病のある方や前立腺の手術を受けた方では、薬の効果が十分に得られにくい場合があります。
さらに重要なのは、狭心症などの治療で硝酸薬を服用している場合には、ED治療薬の併用は絶対に禁忌とされている点です²。命に関わるリスクがあるため、必ず医師と相談したうえで服用を判断する必要があります。
海綿体注射
経口薬が効果的でない場合、または服用できない場合には、陰茎に直接薬を注射する方法もあります。性行為の約10分前に陰茎の幹部に注射することで、勃起を促します。
ただし、痛み、出血、長期間の使用による線維化(瘢痕化)などの副作用のリスクがあります。
なお、海綿体注射は日本において薬事未承認です。
経口薬が効果的でない場合や、健康上の理由から服用できない場合には、陰茎に直接薬を注射する海綿体注射という治療法も選択肢のひとつとなります。この方法は、性行為の約10分前に陰茎の根元付近に薬剤を注射することで、血流を促し、勃起を引き起こすというものです。
ただし、注射にともなう痛みや出血、長期間使用した場合の線維化(瘢痕化)といった副作用のリスクがあります。ただし、この治療法は日本国内では薬事未承認です。
ED治療薬にはさまざまな種類があり、その効果や副作用は人それぞれの体質や健康状態によって異なります。どの治療法が自分に最も適しているかを判断するためにも、自己判断せず、必ず医師に相談することが大切です。
陰圧式勃起補助具(バキュームデバイス)
陰圧式勃起補助具は、陰茎に装着して陰茎内部に血液を引き込み、勃起を促す医療機器です。ポンプで陰圧をかけて勃起を引き起こした後は、根元に装着した保持リングによって血液を陰茎内にとどめ、ポンプ本体を取り外します。
この方法により、性交が可能な時間、勃起状態を維持することができます。ただし、使用中にペニスが冷たく感じられることがあるほか、保持リングが射精を妨げる可能性もあります²。
また、保持リングは30分以上連続して使用しないようにしてください。それ以上装着したままにすると、血流障害などの合併症を引き起こすおそれがあります。
陰茎プロステーシス(ペニスインプラント)
他の治療法が効果を示さなかった場合、陰茎プロステーシスが適した解決策となる可能性があります。陰茎プロステーシスは、手術で陰茎内に埋め込む医療機器で、自然な勃起に近い見た目と機能を再現するものです⁵。長さや太さは患者さんそれぞれの解剖学的構造に合わせてカスタムフィットされます。また、通常は感覚や射精能力に影響を与えることはなく、特定の疾患がない限り、通常通りオーガズムを得ることが可能です⁶。
また、陰茎プロステーシスは薬事承認済のため、日本においても治療可能です。
他の治療法で十分な効果が得られなかった場合、陰茎プロステーシスが適切な解決策となる可能性があります。
陰茎プロステーシスは、陰茎内に手術で埋め込む医療機器で、自然な勃起に近い見た目と機能を再現することができる治療法です⁵。デバイスのサイズは、患者さん一人ひとりの解剖学的構造に合わせてカスタムフィットされます。
また、多くの場合で陰茎の感覚や射精機能には影響せず、特定の疾患がない限り、通常どおりオーガズムを得ることも可能です⁶。
ペニスインプラントは薬事承認済のため、国内でも治療可能です。
まずは医師に相談し、ご自身のEDの原因を正しく理解することから始めましょう。
原因がわかれば、あなたに合った適切な治療法を選ぶことができ、再び自信を持って、満足のいく生活を取り戻すことができるはずです。
1: Erectile dysfunction. NIH: National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. https://www.niddk.nih.gov/health-information/urologic-diseases/erectile-dysfunction
2: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/erectile-dysfunction/diagnosis-treatment/drc-20355782
4: Caverject™ Prescribing information. Pharmacia & Upjohn Company. Revised October 2016.
5: Data on file with Coloplast
6: Dealing with Erectile Dysfunction. UCLA Urology. http://urology.ucla.edu/dealing-with-erectile-dysfunction. Accessed September 2007.