その他の原因 | EDについて正しい理解を深めましょう

前立腺がん治療とEDの関連性は?

現在、世界中の男性の約13.5%が前立腺がんの影響を受けているとされています¹。前立腺は男性の生殖器の一部であり、精液の構成成分の一つを分泌し、他の要因とともに射精にも関与しています。
前立腺がんの治療は、手術であれ放射線やホルモン療法であれ、性的機能、とくに勃起機能に影響を及ぼす可能性があります。

” 前立腺がんを患ってから、まるで自分の性生活が止まってしまったかのように感じています”

前立腺がんの手術や治療は、性的欲求や性生活全般に影響を与えることがあります。特に、以前にEDを経験していた場合、その影響が大きいことがありますが、ポジティブな気持ちを保ちつつ、振り返ることが重要です。治療後、性機能を元に戻すことや、少なくとも改善することは多くの場合可能です。
前立腺がんの手術や治療は、性的欲求や性生活全体に影響を及ぼすことがあります。特に、治療前からEDを経験していた場合、その影響はより大きく感じられるかもしれません。
しかし、そうした変化に対してネガティブになりすぎず、自分の身体や気持ちの変化を冷静に振り返ることが大切です。前向きな気持ちを保ちながら取り組むことで、治療後に性機能を回復させたり、少なくとも改善したりすることは、多くの場合において可能です。

前立腺がん手術後の勃起機能への影響

前立腺がんに対する様々な治療法が、EDの原因となり得ます。

  • 根治的前立腺摘出術は、勃起に関わる神経に影響を及ぼす可能性がある手術であり、術後すぐに性機能の低下やEDといった変化が現れることがあります。しかし、勃起をつかさどる神経は、一時的にダメージを受けたとしても、術後12〜24か月のあいだに徐々に回復する可能性があります。
  • ホルモン療法は、腫瘍のサイズを縮小するために一般的に用いられる治療法ですが、残念ながら性欲の低下や勃起機能の減退といった副作用が生じることがよくあります。しかし、治療後には徐々に性欲が戻ってくることもあります。
    大切なのは、パートナーと一緒に向き合いながら、再び欲求を取り戻すためにできることについて話し合っていくことです。
  • 放射線療法は、がん細胞を破壊するための効果的な治療法ですが、一方で副作用として動脈や神経に形態的な変化を引き起こすことがあります。その結果、陰茎への血流が減少し、勃起機能に影響を与える可能性があります。

前立腺がんとED―ストレスに負けずに向き合うために

EDや性欲の低下といった変化は、自信や自己肯定感を失わせ、時にはうつ状態につながることもあります。特に病気や治療が原因となっている場合、その喪失感や孤独感はとても深く、つらい時期となるかもしれません。
しかし、諦めないでください。大切なのは、たとえ少しずつでも、性的な活動に前向きに関わり続けることです。陰茎への刺激を維持することは、リハビリテーションの一環として非常に効果的であり、血流や酸素の不足によって起こる陰茎の線維化を防ぎ、自然な勃起を取り戻す可能性を高めることにもつながります。
また、このような困難な時期には、パートナーとの親密なふれあいを大切にすることが強く勧められます。オープンで率直な対話を通じて、お互いの気持ちを理解し合い、新しいかたちの性生活を一緒に探っていくことができます。なによりも、パートナーの支えは孤独感をやわらげ、心の安らぎにつながる大きな力となるでしょう。

 

充実した性生活のための3つのポイント

  1. 前立腺がんの手術や治療後も、性的な活動を続けましょう
    前立腺がんの手術や治療を受けた後も、可能な範囲で性的な活動を維持することが勧められています。これは、身体のリハビリとしてだけでなく、心の健康を保つうえでも非常に効果的です。たとえ変化があっても、あきらめずに自分らしいペースで取り組んでいきましょう。
  2. 診断や治療に縛られず、予測不能な人生を楽しみましょう
    がんの診断や治療は人生の一部かもしれませんが、それがすべてではありません。性生活も、無理に「以前のように」と考える必要はなく、自然な流れに任せて再構築していくことができます。性的なパフォーマンスにとらわれず、少しずつ欲求を取り戻しながら、パートナーと一緒に新しい楽しみ方を見つけていくことが、心のつながりや自信の回復にもつながります。
  3. 性交時に痛みや違和感を感じたら、すぐに医師に相談を
    性交中に痛みや違和感を覚えた場合は、我慢せずに早めに医師に相談しましょう。症状の原因を明らかにし、適切な対応をすることで、不安を軽減し、より安心して性生活に向き合うことができます。

まずは、EDについて医師に相談してみましょう。生活習慣の見直しから薬による治療、そして必要に応じて陰茎プロステーシスといった外科的な選択肢まで、さまざまな治療法があります。あなたの体の状態や希望に合わせて、最も適した方法を医師が一緒に見つけてくれるはずです。

1: CA: A Cancer Journal for Clinicians 2018

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