EDの解決策を見つけましょう | 治療の選択肢

陰圧式勃起補助具とは?

EDは、医師によって診断され、その原因に応じて薬物療法、手術、医療機器の使用など、さまざまな治療法が提案されます。
このページでは、その中でも非侵襲的な治療法のひとつである陰圧式勃起補助具(バキュームデバイス)の仕組みと使用方法について、解説します。

手術や薬を使わずにEDを改善する方法

EDは、薬や手術だけでなく、医療用デバイスの使用によって改善が期待できる場合もあります。陰圧式勃起補助具は、海外において長年にわたり、ED治療のための数少ない処方治療のひとつとして広く利用されてきました¹。

陰圧式勃起補助具の使い方

陰圧式勃起補助具は、筒状の医療機器で、使用時に陰茎を筒の中に挿入し、手動で内部を真空状態にすることで働きます。この真空により圧力差が生じ、血液が陰茎の海綿体へ流れ込み、数分以内に自然な勃起が得られます。使用中も感覚は保たれるため、違和感なく使用することが可能です。

勃起を保つためには、陰茎の根元に専用の保持リングを装着します。これにより、血液の逆流を防ぎ、勃起を一定時間持続させることができます。ただし、保持リングの装着は30分以内にとどめることが重要です。長時間の装着は、血流の妨げとなり、陰茎の組織にダメージを与えるおそれがあります。

初回の使用では、陰茎が十分に膨張しないこともありますが、心配は不要です。
長期間使われていなかった組織を少しずつ伸ばすことが目的となるため、真空の強さを調整しながら、徐々に慣らしていくことが大切です。

また、陰圧式勃起補助具は陰茎のトレーニング器具としても活用できます。長期間にわたり勃起がない状態が続くと、陰茎組織への酸素供給が不足し、線維化(瘢痕化)や組織の萎縮・短縮が起きる可能性があります。そこで、陰圧式勃起補助具を使って1日5〜10分程度の適度な勃起状態を作ることで、海綿体組織に酸素を届け、自然なストレッチ効果が得られると考えられています。

このデバイスの最大の特徴は、手術不要が不要で体への負担が少ない点です。また、経口薬や注射療法と併用することも可能です。

ただし、使用においてはいくつかの注意点もあります。まず、陰茎とシリンダーの間に完全な密閉状態を作ることが重要です。少しでも空気が漏れると、十分な陰圧が得られず、勃起が不十分になります。これを防ぐために、陰毛を適度に処理し、ローションをたっぷり塗ると効果的です。また、血流を妨げないよう、リングの装着時間は最大30分までにしましょう。

EDについて医師に相談する際には、ライフスタイルの改善、薬物療法、陰圧式勃起補助具、そして陰茎プロステーシスなど、さまざまな治療の選択肢が提示される可能性があります。

EDの原因や症状の程度は人それぞれ異なるため、ご自身にとって最適な治療法を見つけることがとても大切です。そのためにも、専門の医師としっかりと相談し、不安や希望を率直に伝えることが第一歩となります。

1: According to the study ” Michael S.CooksonPerry W.Nadig, The Journal of Urology Volume 149, Issue 2, February 1993, Pages 290-294)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8426404/

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